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専門家コラム・Q	& A

反社会的勢力を排除する!~定義を確認し、そのために必要な社内体制とは?|株式会社エス・ピー・ネットワーク

【第70回】 「常識」がズレることの怖さ

3) 共謀罪の創設

パリ同時多発テロ事件を受けて、テロ組織の資金源を断つ対策のひとつとして組織的犯罪処罰法の改正、いわゆる「共謀罪」を創設する機運も高まっています。ただし、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は、国会に過去3度提出され、いずれも政治的な駆け引きから廃案になった経緯があり、今後の動向は不透明です。

報道によれば、現時点では、重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる共謀罪について、「集まった」という理由で一般人が罪に問われかねない(拡大解釈による不当逮捕)、人権侵害につながる可能性があるとして慎重な意見が根強いことから、その内容を見直し、①共謀だけでは処罰対象とせず、犯罪実行に必要な資金や物品の準備などを構成要件とする方向で検討を進めていること、②適用対象団体をテロリストや暴力団などの「組織的な犯罪集団」に限定すること、③名称も共謀罪が誤解を招くなどとして「組織犯罪準備罪」「組織犯罪遂行罪」などを想定しているといったことが言われています。

そもそも共謀罪の検討が必要な背景としては、最近のテロリスクの高まり以外にも、国連が2000年にテロや国際的な犯罪を未然に防ぐことを目的とする「国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)」を採択したことがあげられます。日本も2000年に署名していますが、国内法が未整備のため(共謀罪がないため)批准には至っていません。さらに、先進国で同条約を批准できていないのは日本のみという状況で、国際的なテロリスクに対応してくために必要な情報が(各国の諜報機関等との連携ができないため)得にくく、日本が「抜け道」となって、国際的な信用失墜ばかりか、国際的なテロ包囲網を骨抜きにしてしまいかねません。

この条約の批准と共謀罪の創設との関係で言えば、一方で、日本弁護士連合会(日弁連)は、「共謀罪を設けなくても国際組織犯罪防止条約の批准は可能」とする意見書をまとめています。

▼ 日本弁護士連合会 日弁連は共謀罪に反対します(共謀罪法案対策本部)

それによれば、「未遂前の段階で取り締まることができる各種予備・共謀罪が合計で58あり、凶器準備集合罪など独立罪として重大犯罪の予備的段階を処罰しているものを含めれば重大犯罪についての、未遂以前の処罰がかなり行われています。」「刑法の共犯規定が存在し、また、その当否はともかくとして、共謀共同正犯を認める判例もあるので、犯罪行為に参加する行為については、実際には相当な範囲の共犯処罰が可能となっています。」などと説明されています。また、それ以外にも、批准の手続き面からみて、現行の法体系で十分批准は可能(国連の立法ガイドが求めている組織犯罪を有効に抑止できる法制度はすでに確立されている)としています。

このように、共謀罪創設の行方は依然として不透明ですが、テロリスクや反社リスクを低減させ、国際的な連携に貢献するという意味でも、「日本が条約を批准すること」が重要であるとの共通認識のもと、速やかな対応が求められます。

4) マンション標準管理規約の改正

国土交通省から、「マンション標準管理規約」改正案として、暴力団等の排除規定を新設し、暴力団の構成員に部屋を貸さない、役員になれないとする条項等を整備する方針が示されています。また、改正コメント案において、「暴力団の排除のため、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止する旨の規定を追加することも考えられる」との文言等が追加されています。

▼ 国土交通省 「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正(案)に関する意見募集について

▼ 「改正案の概要」

▼ 別紙2 マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメントの改正案

これに対し、日本弁護士連合会(日弁連)が、「住戸専用のマンションであるか店舗併用等の複合用途型マンションであるかにかかわらず、その専用部分の暴力団事務所としての使用がマンション区分所有者の共同利益に反すること及び同禁止が必要」、「少なくとも暴力団事務所としての使用禁止については、住戸専用のマンションであるか店舗併用等の複合用途型マンションであるかにかかわらず、本件改正案の条項例中に明記すべき」といった意見を表明しています。

▼ 日本弁護士連合会 「マンション標準管理規約」の改正(案)に対する意見

不動産事業者の暴排実務においては、契約時点で取引の相手方やその関係者(保証人や居住者・同居人等)に対して反社チェックを実施することが定着していますが、当然のことながら、反社会的勢力は契約当事者として直接登場することはほとんどありません。とりわけ、物件が暴力団事務所に使用されるかどうかについて、暴排条例でも「利用目的」を確認することが求められているとはいえ、彼らはその目的を秘して契約するわけですから、契約時点で見抜くことは難しいと言えるでしょう。

正に暴力団等に活動拠点を提供することになる「不動産からの暴排」の取組みは、今後も厳格化・深化が求められますが、入口時点における限界をふまえ、今後は、利用状況のモニタリング(中間管理)の重要性が高まるはずです。さらには、実態が確認されれば、「用法違反」による契約解除・強制退去といった排除の確実な実施が求められることになります。そのために、排除実務に明確な根拠を与える意味でも、日弁連が求めるように、少なくとも「暴力団事務所としての使用禁止」が規約に確実に盛り込まれるような取組みは当然行うべきだと言えるでしょう。

株式会社エス・ピー・ネットワーク

総合研究室 主任研究員 芳賀  恒人 氏

警視庁・道府県警の出身者をはじめ、企業危機管理に伴う法務・労務・財務・広報等の専門家で構成されるクライシス・リスクマネジメント専門企業。

反社会的勢力の見極めから排除実務、企業不祥事等に伴う緊急対策支援に至る「直面する危機(クライシス)」対策等に数多くの実績を有し、実践から導かれた理論に基づき「潜在する危機(リスク)」の発現を未然防止するためのコンサルティングと人的支援を展開する。従来の枠に留まらない危機管理的視点からの実践的なコンプライアンス体制や内部統制システムの構築を多くの企業で手がける。会社法の改正等の経済界の流れを先取りした先駆的企業危機管理論には、上場企業や株式公開を目指す企業だけでなく、金融機関や監査法人からの支持も厚い。

筆者は、企業のリスク抽出・リスク分析ならびにビジネスコンプライアンスを中心とする内部統制システム構築を専門分野とするリスクアナリストとして、これまでに、企業の反社会的勢力排除の内部統制システム構築・運用支援コンサルティングや排除計画の策定・対応支援等の業務を多数手がけるほか、「SPNレポート~企業における反社会的勢力排除への取組み編」を取りまとめ、犯罪対策閣僚会議下の「暴力団取締り等総合対策ワーキングチーム」での報告をはじめとして、企業の反社会的勢力排除に向けた取組みに関する講演等を数多く行っている。

弁護士法人法律事務所オーセンス

 

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