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専門家コラム・Q	& A

反社会的勢力を排除する!~定義を確認し、そのために必要な社内体制とは?|株式会社エス・ピー・ネットワーク

【第70回】 「常識」がズレることの怖さ

■ 最近の事例から

1) 六代目山口組の分裂

六代目山口組のナンバー3(統括委員長)である「極心連合会」の橋本会長が、山口組を離脱する動きをみせる(ただし、その後、一転して残留の意向を示しています)など、指定暴力団山口組と神戸山口組の分裂騒動はまだまだ予断を許さない状況にあります。また、山口組以外の指定暴力団も、今回の分裂を「新たな資金源獲得のチャンス」として、虎視眈々と山口組の動向を注視しながら今後の対応を見極めており、「資金源」を巡る争いから暴力団全体が「再編」される可能性も十分考えられる状況です。

今のところ、大規模な抗争は依然として発生していないものの、名古屋市の繁華街で、離脱を巡る双方の組員間のトラブルに絡み、合わせて24人が逮捕された事案や、仙台市の繁華街でも双方40~50名の組員がにらみあい機動隊が出動する騒ぎとなった事案など、局所的には一触即発の事態も発生しており、法的環境が整い抗争を起こしにくい状況であるといっても、突発的な衝突から一気に大規模な抗争に発展する可能性も否定できません。

一方、山口組が分裂して以降、今年9月から11月25日までの間に、全国の警察は、双方の事務所など延べ103か所を捜索し、幹部ら延べ143人を逮捕しています。また、神戸山口組の暴力団対策法に基づく「指定」に向けては、暴力団対策法の改正等の動きは本格化しておらず、今のところ、全国規模での捜索等をハイペースで行いながら必要な情報を収集している状況にあります(今後、第三極として独立する組織があれば、その指定に向けた対応を迫られることになりますし、そもそも山口組の再指定も来年6月に予定されており、警察当局としては大変な作業となることが予想されます)。

この指定を急ぐ背景には、暴力団対策法により、指定暴力団員がその所属する指定暴力団等の威力を示して行う不当な行為が禁止されており(27の類型については暴追センターのHP等で確認できます)、公安委員会では、暴力団対策法に違反した指定暴力団等に対しては、中止命令や再発防止命令を発出し、その行為を中止させることができる(逆に言えば、指定のない状態では十分な規制が及ばない可能性がある)という点があげられます。なお、両団体については、さらに厳しい規制を課すために、直近の暴力団対策法の改正で新設された「特定抗争指定」あるいは「特定危険指定」もあわせて考えられるところです。

▼ 全国暴力追放運動推進センター 暴力団対策法で禁止されている27の行為

2) テロリスク

先月のパリ同時多発テロ事件は、あらためてテロの恐ろしさを見せつけましたが、フランスでは今年1月にシャルリー・エブド襲撃事件があり、中東などでは毎日のように自爆テロが発生しています。最近だけでも、トルコでの爆破テロやロシア機爆破テロ、レバノンやマリでのテロ、米での銃乱射テロ事件(米国人によるホームグロウン・テロとの見方)、日本でも靖国神社放火事件(テロかどうかは断定されていませんが、外形的には「ソフトターゲット」を狙ったテロと言えなくもありません)が発生するなど、国際的にテロリスクが高まっています。

テロの封じ込めには、「金」の流れを断つこと(油田や誘拐ビジネスなど資金源対策、テロ資金供与対策など)と、「人」の流れを断つこと(最重要だが最も困難なテロリストの供給源対策、思想的に感化されたローンウルフやホームグロウン・テロリスト対策、入国審査の厳格化など国境を超えた移動対策、重要インフラ等への内通者対策など)、さらには、「警戒」のあり方(大規模な集客施設など警備を緩やかにせざるを得ない「ソフトターゲット」対策、原発やインフラ施設などの「ハードターゲット化」対策など)といった面からの検討や対策の強化が急務だと言えます。

また、民間事業者においても、大規模な集客施設やイベントにおける手荷物検査や巡回の実施や、爆発物製造に絡む化学物質等の販売時の警察への連絡といった警察からの要請に積極的に応え、官民挙げての取組みが求められます。

特に、事業者に大きく関わる部分でもある「テロ資金供与対策(CTF)」においては、マネー・ローンダリング対策同様、KYC(Know Your Customer)からKYCC(Know Your Customer's Customer)への取組みの質的転換が求められていることは言うまでもありません。そして、その取組みは、何も金融機関など(犯罪収益移転防止法に定める)特定事業者だけが注意すべきという話ではありません。一般の事業者としても、テロ資金やテロを助長するような取引が自社の商流に紛れていないか、知らず知らずの間に「悪の連鎖」に自社が巻き込まれていないか、これまで以上に取引先管理の厳格化(Enhanced Due Diligence)に取組み、テロリストに連なる「真の受益者」を見抜くよう迫られているということでもあります。

以前もご紹介した通り、IS(イスラム国)がトヨタ製の車両多数を使用しているとして、米財務省が背景を調査中との報道がありました。同社が、意図的にそこから利益を得ようとしている、あるいは、テロ組織に利益供与する意図はないと考えられるうえ、一度購入された車両が中間業者によって再販されたり、または盗難に遭ったりした場合にそれを追跡するのは、実際にはほぼ不可能です。それでも、CTFの観点から、結果だけで嫌疑をかけられるリスクが顕在化しており、それに対して、対応は困難だとして何ら対策を講じない「不作為」があれば制裁の対象となりかねない現実を突き付けられた形と言えます。

ただし、日本を含む世界的なテロ資金供与対策の強化、包囲網の強化が進む一方で、ISへの闇資金ルートが存在する問題も深刻なようです。

報道(2015年11月25日付産経ニュース)によれば、中東や南アジアの伝統的な地下送金システムで、イスラム国への資金ルートの一つとも指摘されている「ハワラ」などは西側中心の銀行取引を通じたテロ資金供与対策の規制が及ばず、課税や海外送金規制を逃れるために取引の記録を残さないことが多いこともあって、「テロ組織に資金が流れていたとしても追跡は難しい」とのことであり、また、「シリアやイラクでは規制当局の実務能力や汚職体質の問題もあり、実効性のある取り組みは期待しにくい」といった問題もあるようです。

また、類似のリスクとしては、匿名性の高い「仮想通貨」による資金のプールや移動の問題などが顕在化しており、こちらの対策も急務です。

テロリスクは反社リスク同様、外部からの攻撃リスクであり、好むと好まざるに関わらず、「巻き込まれるリスク」でもあります。国際的なテロリスクの高まりや、国際的なイベントが集中する日本がターゲットとなる可能性が極めて高い状況にある以上、さらには、民間事業者が担うべき役割がある以上、求められる対策を適切に実施していくべきですし、テロを助長するような行為やそれを見て見ぬふりをする不作為があるとすれば、自らにも降りかかってくる脅威に直結するわけですから、絶対にあってはなりません。

株式会社エス・ピー・ネットワーク

総合研究室 主任研究員 芳賀  恒人 氏

警視庁・道府県警の出身者をはじめ、企業危機管理に伴う法務・労務・財務・広報等の専門家で構成されるクライシス・リスクマネジメント専門企業。

反社会的勢力の見極めから排除実務、企業不祥事等に伴う緊急対策支援に至る「直面する危機(クライシス)」対策等に数多くの実績を有し、実践から導かれた理論に基づき「潜在する危機(リスク)」の発現を未然防止するためのコンサルティングと人的支援を展開する。従来の枠に留まらない危機管理的視点からの実践的なコンプライアンス体制や内部統制システムの構築を多くの企業で手がける。会社法の改正等の経済界の流れを先取りした先駆的企業危機管理論には、上場企業や株式公開を目指す企業だけでなく、金融機関や監査法人からの支持も厚い。

筆者は、企業のリスク抽出・リスク分析ならびにビジネスコンプライアンスを中心とする内部統制システム構築を専門分野とするリスクアナリストとして、これまでに、企業の反社会的勢力排除の内部統制システム構築・運用支援コンサルティングや排除計画の策定・対応支援等の業務を多数手がけるほか、「SPNレポート~企業における反社会的勢力排除への取組み編」を取りまとめ、犯罪対策閣僚会議下の「暴力団取締り等総合対策ワーキングチーム」での報告をはじめとして、企業の反社会的勢力排除に向けた取組みに関する講演等を数多く行っている。

弁護士法人法律事務所オーセンス

 

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