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専門家コラム・Q	& A

反社会的勢力を排除する!~定義を確認し、そのために必要な社内体制とは?|株式会社エス・ピー・ネットワーク

【第63回】 平成26年の暴力団情勢

警察庁から、平成26年の暴力団情勢についての報告書が公表されています。

▼ 警察庁「平成26年の暴力団情勢

1) 平成26年末現在の暴力団員数

平成26年12月末現在の暴力団員(暴力団構成員および準構成員)は前年比で5,100人減(前年比8.7%減)の5万3,500人であり、5年連続で統計の残る昭和33年以降最少を更新しています。
また、暴力団構成員は22,300人で、前年に比べて3,300人減少(前年比12.9%減)しており、準構成員も31,200人と、前年に比べて1,800人減少(同5.5%減)しています。暴力団構成員数の減少割合が準構成員より著しく高い傾向が続いていますが、その結果、準構成員の割合が58.3%(昨年は56.3%)にまで達しており、暴力団の潜在化がますます進行していると言えます。

また、本コラムでもたびたび指摘している通り、平成23年10月までに全国で施行された暴力団排除条例(以下「暴排条例」)や度重なる暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)の改正、事業者等をはじめ社会全体の暴排の取組みの浸透・進展など、官民挙げたこれまでの暴力団対策の効果が一定程度出ているものと評価できます。

一方で、このように急激な減少が続いている(平成25年末では前年から▲8.7%、平成24年末では同▲10.1%、平成23年末では同▲10.6%)状況が持つ意味を考えるにあたっては、暴排条例における規制対象者たる「元暴力団員の5年卒業基準」のもつリスク(安易な線引きの危険性)や、暴力団員として活動することが困難な現状をふまえた「偽装離脱」や「偽装解散」、さらには、それらと裏腹の関係にある「離脱者の真の更生」への対応についても考慮していく必要があります。

そして、この暴力団員の減少傾向を、最近の特殊詐欺被害の深刻化とあわせて考えてみると、別の側面があることに気付かされます。

まず、社会全体の暴排意識・コンプライアンス意識の徹底によって暴力団の資金源が急激に枯渇する中、求心力を維持できない暴力団の内部から若年層が離脱、あるいは、(若者の気質の変化もあって)最初から暴力団員としてではなく、より収益性の高い「特殊詐欺」に参画するようになったという点があげられます。暴力団は、もともと、不良少年ら社会に不適合な若者をリクルーティングし、外部から組織内部に取り込むことで、その「受け皿」となってきた経緯がありますが、その「受け皿」が今や特殊詐欺グループに取って代わったと言うことができると思います。

一方、最近の動向をよくよく見てみると、暴力団がその組織を維持するために、むしろ、特殊詐欺グループを(「人的供給源」としてではなく、純粋に)「資金源」として利用している構図も浮かび上がります。

現在の暴力団組織においては、忠誠心や義侠心はもはや重要な評価軸ではなく、正に「資金力」こそが組織内での力やステイタスの源泉となっています。

「暴力団員の減少傾向」が意味していることは、暴力団が「資金の獲得」のために、若者を直接的に組員にして「内側」に取り込むという意味での「受け皿」の役割を自ら捨て、暴力団員の減少や高齢化という代償を払いながらも、組織の「外側」に、不良少年や元不良少年ら若者を取り込んだ「資金源」のスキーム化、組織化・ネットワーク化をすすめ、それによって「資金」を組織に還流させるようになったという構図の変化の表れ(組織のあり方の変質の結果)なのです。

この、暴力団が社会に不適合な若者の気質を利用して、例えば暴走族の再結成などを名目に、新たにグループ化させたと言えるのが、正に「準暴力団(半グレ集団)」です。
暴力団は、この「準暴力団」を巧妙に利用して、特殊詐欺や違法薬物の売買などの実行部隊として稼がせ、それを資金源にするという「プロデューサー」あるいは「委託元」としての役割に立場を変えてきています。さらに、当局による特殊詐欺の実行部隊の摘発が激しさを増している中、プロデューサーとしての才覚のない暴力団員が自ら「受け子」や「架け子」として犯罪を実行し、検挙される事例も目立っていますが、そのような事情もあって、中途半端に若者を組員として抱えて活動させることのリスク(逮捕されるリスク・組織が摘発されるリスク・資金源を断たれるリスク)を、「外注化」によってヘッジしているといった計算高い側面も見え隠れします。

つまり、暴力団の資金獲得活動が、自らが内側に抱える「若い組員の頭数」に依存(比例)していた時代から、組織の外側に「資金獲得スキーム」をいかに組成し稼ぐかに移行しているということです。そして、この「外注化」によって、自らは「プロデューサー」役に徹すればよく、直接犯罪に手を染めることなく(リスクを大きく低減させつつ)、少ない組員の頭数であっても組織を維持・発展させていくことが可能なスキームを作り上げているとも言えます。

さて、この「特殊詐欺の深刻化と暴力団員の減少傾向の密接なリンク」という構図が行き着く先は、「暴力団の少子高齢化・組織のスリム化」の進行であり、「外注先」として周辺に存在し、その資金獲得活動を支える準暴力団や特殊詐欺グループなど、別の形の犯罪組織(反社会的勢力)の勢力拡大です。

株式会社エス・ピー・ネットワーク

総合研究室 主任研究員 芳賀  恒人 氏

警視庁・道府県警の出身者をはじめ、企業危機管理に伴う法務・労務・財務・広報等の専門家で構成されるクライシス・リスクマネジメント専門企業。

反社会的勢力の見極めから排除実務、企業不祥事等に伴う緊急対策支援に至る「直面する危機(クライシス)」対策等に数多くの実績を有し、実践から導かれた理論に基づき「潜在する危機(リスク)」の発現を未然防止するためのコンサルティングと人的支援を展開する。従来の枠に留まらない危機管理的視点からの実践的なコンプライアンス体制や内部統制システムの構築を多くの企業で手がける。会社法の改正等の経済界の流れを先取りした先駆的企業危機管理論には、上場企業や株式公開を目指す企業だけでなく、金融機関や監査法人からの支持も厚い。

筆者は、企業のリスク抽出・リスク分析ならびにビジネスコンプライアンスを中心とする内部統制システム構築を専門分野とするリスクアナリストとして、これまでに、企業の反社会的勢力排除の内部統制システム構築・運用支援コンサルティングや排除計画の策定・対応支援等の業務を多数手がけるほか、「SPNレポート~企業における反社会的勢力排除への取組み編」を取りまとめ、犯罪対策閣僚会議下の「暴力団取締り等総合対策ワーキングチーム」での報告をはじめとして、企業の反社会的勢力排除に向けた取組みに関する講演等を数多く行っている。

弁護士法人法律事務所オーセンス

 

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