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株式会社阿部長商店

代表取締役 阿部 泰浩 氏

1963年10月31日宮城県気仙沼市生まれ。1986年3月 明治大学商学部卒業。同年4月 宝幸水産株式会社入社。1987年6月 同社退職。同年7月 株式会社阿部長商店入社。同年9月 同社 専務取締役就任。2002年1月 同社 代表取締役社長就任。

震災直後から「全社員の雇用維持」を宣言。積極的な復旧と新事業創出で公約をカタチに。

【1】 全社員の職場確保まであと僅か

昨年3月に東北地方で起きた未曾有の震災。その中で工場や設備のほとんどが罹災しながらも、従業員800名すべての雇用を守ると公言し大きな反響を巻き起こした経営者がいた。

その名は阿部泰浩。1968年に魚の行商業として産声をあげ、水産事業と観光事業を二大柱に成長を続けてきた、三陸最大の港町気仙沼を代表する企業「株式会社阿部長商店」、その二代目社長である。

宣言から間もなく1年。彼が掲げた想いはかなったのだろうか。

「『サンマリン気仙沼ホテル観洋』をはじめ、当社が運営するホテルはいずれも高台にあったため被害は少なく、被災者の受け入れを中心に早くから業務を再開することができました」

「また『お魚いちば』も7月には営業再開にこぎつけました。この施設がある場所は港の中心地なんですが、津波で壊滅的な被害を受け、夜になると電気もつかない人も寄り付かない真っ暗な場所になってしまっていたんです。ですから少しでも早くこの地に明かりを灯したいと、かなり急いで復旧しましたね」

そしてその後も、岩手県大船渡に大型の新工場を建設。さらにこの2月にも気仙沼で新たな水産工場が稼働をはじめ(写真右下)、社員が働く場所が少しずつ整っていった。

「残念ながら1割強、個々の事情で町を離れたり退職されたりした方もいられますが、残っていただいた社員の方々の9割以上は何とか職場の確保ができました」。阿部氏はこのように今までの苦難の道のりを振り返る。

なんと同社ではこの期間、働き場所がなく仕事がない社員にも、手持ち資金の切り崩しと助成金の活用で震災前と同じ満額の給与を払い続けてきたという。

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